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オーダーねじ加工依頼の際に知っておきたいネジ寸法の表示方法と規格


 

規格ネジは種類ごとにサイズが決められていますので、規格表を見ればピッチや長さ、頭の寸法も一目瞭然となります。

特殊ねじを加工したい場合や、規格ねじがどのサイズに該当するのが調べたい場合、寸法の表示方法を知っているとスムーズです。

 

このページでは、ねじ寸法の表示方法や、ねじの代表的な規格、ねじ切り加工の方法などについて解説します。

 

ねじの寸法の表示方法

ねじの寸法の表示方法には一定のルールがあります。
規格ねじを探すときはもちろん、手持ちのねじの寸法を測る場合はねじ寸法の表示を理解しているとサイズを正しく測ることができます。

 

特殊ねじをオーダーする際も役立つ情報ですので、簡単にでも覚えておくと注文の際に役立ちます。

 

ねじサイズ

メートルねじは記号「M」に続けて呼び径(mm)の表示をするのが基本です。
細目ねじを指定する場合は呼び径×ピッチで表示します。

 

また、左ねじを指定する場合、記号Mの前に「左」と表示します。

 

「W」から始まるねじはインチねじを表します。

 

ねじの長さ

ねじの頭が皿のタイプや頭のないタイプ(寸切ボルト等)は全長を表記します。
そのほかのほとんどのタイプは首下を表記します。

 

ワッシャーのサイズ表記

ワッシャーは
内径×外径×厚み
と3つの数字を使って表記されます。

 

ナットのサイズ表記

ナットは「M〇〇」または「W〇〇」という風に、めねじ径でサイズを表記します。
ねじやボルトと同様にMはミリねじ、Wはウィットねじです。

 

ねじの代表的な規格

一般に流通しているねじのネジ山は規格に従って作られています。
規格ねじには「JIS規格」と「ISO規格」があり、JIS規格は国際的な基準であるISO規格に習いつつあり、両者の違いは減りつつあります。

 

しかしそうは言っても、ISOにはない寸法、サイズのねじも多くの業界でまだ使われているため、JISではそれらも考慮し、規格として残されています。

 

日本国内で最もよく使われているねじ山の規格はメートル並目ねじをはじめとした以下のようなねじです。

 

メートル並目ねじ

直径とピッチをミリメートルで表し、ねじ山の角度60度の三角ねじです。
国内で最も流通しているタイプで、ホームセンターで販売しているねじの多くはこのメートル並目ねじです。

 

*メートル細目ねじ

直径とピッチをミリメートルで表し、ねじ山の角度60度の三角ねじで、メートル並目ねじよりもピッチが細かいタイプです。

 

振動による緩みを抑えたい部分や自動車関連の部品に利用されます。

JIS規格ではメートル細目ねじは1998年に廃止され、並目と統合されました。

 

メートル台形ねじ

山の頂と谷底の切取りが大きい対称断面形のねじを持ち、直径とピッチをミリメートルで示したねじ山の角度が29度もしくは30度のねじです。

 

ユニファイ並目ねじ

アメリカ、イギリス、カナダの3か国で軍事上の協定によりできたねじでねじ山の角度が60度のインチねじです。
米国製など、海外製品でよく用いられています。

 

直径はインチで表し、ピッチは1インチあたりのねじ山の数で表します。
呼び径が1/4未満の場合、No.または#の番号で示します。

 

ユニファイ細目ねじ

ユニファイ並目ねじと同様、米・英・加の3か国で軍事上の協定によりできたねじで、ねじ山の角度が60度のインチねじです。
海外製品を中心に用いられています。

 

ねじ切り加工の方法

ねじ山を作る工程をねじ切り加工と言いますが、ねじ切り加工には「切削加工」と「塑性加工」の主に2つの方法があります。

 

切削加工

切削加工は素材を削ったり切ったりしてねじ山を加工する方法です。
切ったり削ったりするため、材料の大きさよりも小さなねじを作ります。

 

切削加工は多くの種類のねじを加工することができます。

 

一方で、削りくずが大量に出ること、刃物を多く使うため、刃物を変えるたびにコストがかかります。

 

切削加工には旋盤を使った方法と、ねじ切り盤を使った方法があります。

 

旋盤加工は大量生産向きではなく、オーダーねじなど特別なねじに向いています。
ねじ切り盤では橋や鉄筋コンクリート造の建物などに用いられるアンカーボルトなどに使われる大型のねじの加工が中心となります。

 

塑性加工

塑性加工は素材に曲げる、押しつぶすなどの大きな力を加え、形を変化させます。

 

材料を削らないため、削りくずが出ることがなく、材料の太さを確保したねじを作ることが可能です。
また、金属内部の繊維を切断しないため、「ファイバーフロー」という耐摩耗性に優れたねじを作ることが可能です。

 

一方で、金型が必要なため、金型作成の費用と時間がかかります。

 

ねじの塑性加工は一般的に「圧造」という方法で作られ、特に「転造」という方法が用いられます。

 

寸法を指定したオーダーメイドの「特殊ねじ」を作ることもできる

規格ネジとは異なる寸法でネジを作りたい場合や、ねじに機能を付けたい場合、オーダーメイドでネジを注文することも可能です。
オーダーメイドのねじはJIS規格やISO規格に準拠した規格ネジに対して「特殊ねじ」と呼ばれます。

 

特殊ねじの例は以下のようなものがあります。

 

・段付きボルト
・脱落防止ねじ
・いたずら防止ねじ
・イモネジ
・ユニオンボルト
・低頭ねじ
・タッピングねじ
・中空リベット
・飾りねじ
・真空ねじ
・封印ねじ
・ブレーキねじ
・段付きシャフト
・特殊ナット
・特殊リベット

 

特殊ねじは1本から製作することが可能ですし、大量生産されるものもあります。
また、用途に合わせてねじ加工会社が素材や表面加工の提案をしてくれますので、相談しながら作ることも可能です。

 

特殊ねじの製作を考えている場合は気軽に加工会社に問い合わせを

ねじ寸法の表示方法、代表的な規格ねじ、ねじ切り加工の方法などについて解説しました。

 

オーダーメイドで特殊ねじを作りたいと考えている場合は、まずはねじの製造加工会社に気軽に問い合わせてみることをおすすめします。

 

現物が1本あれば、同じものを作れる場合もありますし、ねじの用途を相談すれば、経験豊富なメーカーから最適なねじの素材や表面加工などの提案をしてもらえます。

 

相談するにはまだねじの情報がまとまっていない、という場合でも、メーカーと一緒にプランニングした方がスムーズですので、まずは問い合わせてみてはいかがでしょうか。

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