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汎用旋盤とは?汎用旋盤加工の特徴・メリット・デメリット


旋盤加工には手動で操作して加工するものからコンピュータ制御で加工するものまでさまざまな種類があります。

汎用旋盤は、手動で操作する旋盤で製品の内容によってはメリットも多く、旋盤加工の現場で広く活用されています。

 

今回は、汎用旋盤とはどのようなものか、特徴やメリット、デメリットなどについて解説します。

 

汎用旋盤(普通旋盤)とは

旋盤とはチャックという回転する台に材料を取り付けて、切削バイトと呼ばれる工具を当てて工作物を削る機械です。材料を回転させて削ることから、円筒状の工作物の制作に適しています。

 

汎用旋盤とは、バイトの移動を手動で行う旋盤加工機のことです。
バイトの土台にハンドルやレバーなどが備え付けられており、これらを手動で操作してバイトの位置を決定します。

 

バイトを動かし、固定位置で回転している材料にバイトを押し当てて削っていきます。

心押し台にバイトやドリルを取り付けたり、補助工具を組み合わせたりすれば、さまざまな加工方法が可能です。

 

ハンドルを通して金属の抵抗を肌で感じながら加工を行うため、NC旋盤よりも作業者の技術力が求められます。

 

汎用旋盤の加工手順

汎用旋盤では加工方法により切削工具や加工手順が異なりますが、ここでは、旋盤加工のなかでもよく行われる外径加工の手順をご紹介します。

 

①材料の取り付け
②外径バイトの取り付け
③外径バイトを外径寸法位置に移動
④素材を回転させる
⑤外径バイトを深さ方向に動かしながら削る
⑥外径バイトを素材から離す

 

汎用旋盤のメリット

プログラムの作成の必要なくすぐに加工が始められる

NC旋盤は加工前にプログラムを組む必要があります。1点ものや数量の少ない物はNC旋盤のプログラミングをしている間に汎用旋盤で加工を終えられる可能性があります。

 

このような場合では汎用旋盤の方がスピーディーに加工できます。汎用旋盤は設計図さえあればすぐに加工を始められるのが大きなメリットです。

 

変更・修正・追加工に対応しやすい

汎用旋盤は手作業で加工をしますので、変更点があればすぐに対応できます。また間違いがある場合もすぐに修正できます。NC旋盤では加工完了まで間違いを発見するのが難しいうえ、修正する場合はプログラムを作成しなければなりません。

 

急な変更にも柔軟に対応できるのが汎用旋盤による旋盤加工です。

 

感覚を確かめながら加工できる

汎用旋盤を使った旋盤加工では、金属を削っている感覚が手に直接伝わっています。

削った感触が分かるので、バイトが切れなくなったらすぐに交換する、切り屑が絡まった場合には除去するなどの対応が可能です。

 

汎用旋盤のデメリット

加工者の技術力により品質が変わる

汎用旋盤はすべてを手作業で行うため、作業を行う人の技術力や熟練度により、完成品の品質や作業スピードに差が生まれてしまいます。

 

機械につきっきりになる必要がある

加工のすべてを手作業で行いますので、機械につきっきりで作業をする必要があります。
自動で加工を行うNC旋盤に比べて人件費がかかる場合があります。

 

大量生産には向いていない

汎用旋盤は加工、バイト交換など、すべての工程を手作業で行います。
そのため、ロット数の多い加工には向いていません。

 

大量生産をする場合はNC旋盤が向いています。

 

汎用旋盤のチャック

NC旋盤は基本的に油圧で動くパワーチャック(油圧チャック)を設置しますが、汎用旋盤は手締めの三つ爪スクロールチャックまたは4つ爪単動チャックを設置します。

 

3つ爪スクロールチャックと四つ爪単動チャックのメリットには次のようなものがあります。

 

3つ爪スクロールチャック

・爪が掴める径の範囲が広い

掴める径の範囲が広いため、爪を交換せずに小さい径から大きい径まで掴めます。

NC旋盤のパワーチャックでは少し寸法が変わっただけで爪の位置を動かす必要があり、その分手間が発生します。

 

スクロールチャックを使えば爪の交換の必要がなく、作業時間短縮も可能です。

 

・極小の圧力で掴める

これは4つ爪のメリットでもありますが、手で締めるため、弱い圧力で加工物を掴めます。
そのため、歪み防止のために弱い力で掴みたい場合にも有効です。

 

4つ爪単動チャック

・同じ圧力でもひずみにくい

4つ爪チャックは掴む圧力が4つに分散されるため、同じ圧力でもチャック圧によるひずみが起こりにくくなります。

 

・特殊な形状も掴める

立方体などの複雑な形状でも四つ爪チャックであれば安定して掴めます。

 

・治具を使わずに偏心加工が可能

偏心の加工は通常治具が必要ですが、四つ爪チャックであれば治具を使わずに加工が可能です。

 

汎用旋盤以外の旋盤加工機の種類

旋盤加工機は汎用旋盤以外にもさまざまな種類があり、工作物の大きさや加工方法、数量により旋盤を使い分けます。

 

NC旋盤

NC旋盤とは、NC(数値制御)装置を取り付けた旋盤で、プログラムされた順序に従い自動で加工します。
複数のバイトを装備できる回転式のバイト台を持ち、自動で交換が可能です。

 

近年ではコンピュータを使ったCNC旋盤が主流となっています。

 

卓上旋盤

卓上旋盤とは、作業台の上に置ける小型の旋盤です。

ベンチーレースとも呼ばれ、試作品や小さな部品の加工に使用されています。

 

正面旋盤

正面旋盤とは材料を加工する部分が面盤になっており、大きな工作物の加工に適しています。

 

立旋盤

立旋盤とは主軸が横向きになっている旋盤のことです。

大きな工作物を制作するのに向いており、工作物の振れを最小限にできるため、正面旋盤よりも精度の高い加工が可能です。

 

タレット旋盤

タレット旋盤とは、旋回式の刃物台が設置されている旋盤で、刃物の交換作業をする必要なく加工を完了できる旋盤加工機です。

 

材料をセットしたあと、完成まで一気に加工できるため、大量生産に向いています。

 

旋盤加工の加工方法は金属加工会社と相談すると良い

旋盤加工のなかでも手動で加工を行う汎用旋盤とはどのようなものか、特徴やメリット、デメリットについて解説しました。

 

実際にどのような加工方法で制作するかは、金属加工会社に相談すると、加工の内容や数量、加工物の目的などを総合的に判断し、最適でコストを抑えられる方法を提案してもらえます。

 

加工を希望する場合は、加工方法にも注目し、加工会社と相談するのがおすすめです。

 

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