ボルト・ねじを製造会社で製作するメリットとボルトの種類・加工方法
ボルトには多くのサイズと種類があり、その形状もさまざまです。
一般的には規格サイズの規格ねじを使用することが多いですが、時には特注のボルトの製作をメーカーに依頼することもあります。
この記事ではボルトの基礎知識や製造方法、製作会社に依頼するメリットなどを解説します。
ねじ・ボルトの歴史
ねじの起源は諸説あり、尖った巻貝をヒントとして作られたという説や木に巻いた植物からヒントを得た、粘土を円柱に巻いて発明したという説があります。
ねじは紀元前400年前後にプラトンの友人のアルキタスが発明したとされています。
さらに、手でカットしたねじを最初に開発したのはローマ人と言われており、オリーブオイル絞りや船底の汚水排水、運河など、あらゆる大きさのねじを使っていたとされています。
2個以上のものを締結する締結ねじの誕生は1500年頃とされており、レオナルド・ダ・ヴィンチがねじを研究していました。
その後1700年代半ばから1800年代にかけて起きた産業革命で、製鉄技術の進歩、工作機械の発明などによりねじが本格的に普及していきます。
1800年ごろにイギリスでねじ切り用旋盤が発明され、これにより、ねじの大量生産が可能になり、同じサイズの互換性のあるねじを大量に作ることが可能となったのです。
ボルトの規格
ボルトのねじのサイズは規格に基づいて作られています。
ねじの規格は厳密には2種類存在しており、1つは国際的な基準であるISO規格(国際標準化機構)と、日本の基準であるJIS規格(日本産業規格)です。
JIS規格やISO規格に基づいたサイズで作られたねじを「規格ねじ」といい、規格ねじのサイズでは対応できない形状や仕様の場合など、目的に合わせて造られたねじを「特殊ねじ」といいます。
ボルトの種類
六角ボルト
ボルトの頭部分が正六角形をしており、最も見かけやすいボルトです。
建築業界から自動車業界まで、幅広く用いられています。
六角穴付きボルト
ボルトの頭部分に正六角形の穴が開いているボルトで「キャップスクリュー」とも呼ばれています。
穴の部分に六角レンチを差し込んで締める仕組みです。
アイボルト
頭部分にリングが付いているボルトです。
部材に留めてから、リング部分にフックやワイヤーロープなどを取り付けることができ、機械で持ち上げる際の吊り具として利用されることが多いボルトです。
コンクリートの柱や壁などに埋め込み、チェーンと繋げて盗難防止用として利用されることもあります。
蝶ボルト
ボルトの頭部分に蝶のような2枚の羽がついているボルトです。
工具を使わずに手で締め込むことができます。
こんな場合はメーカーに製造を依頼
規格ねじ以外のねじが必要な場合はメーカーに特殊ねじの製作・加工を依頼することになります。
以下に当てはまる場合はまず、ねじ製造メーカーに問い合わせ、オーダーメイド品の生産を依頼するのがおすすめです。
1.規格品のねじの一部寸法だけ変更したものが欲しい
2.手元にあるねじの同等品を探している
3.どんなねじを作れば良いのか相談したい
4.試作品の製作をして仕様は決定したものの、量産化の目途が立っていない
5.これまでの発注先が廃業してしまい、新たな製造業者を探している
6.現在使用しているねじを改良したい
7.コストカットを実現したい
ボルトをメーカーに特注するメリット
廃盤した製品を復刻できる
これまで使用していたボルトが廃盤になってしまい手に入らなくなった場合や、これまで依頼していたメーカーと連絡が取れなくなり購入できなくなった、というケースが起こることがあります。
その場合、手元にあるボルトを元に新たに製作することが可能です。
細部にこだわった製品ができる
特注では細部までこだわったものを製作することができます。
ミリ単位の長さ調整など、細かい注文にも応えてくれるため、既製品を使って「ここがもうちょっとこうなっていれば」というような思いがある場合は特注で製作することで、思い通りのボルトを利用できるようになります。
いたずら・盗難防止になる
規格ねじは市販のドライバーや六角レンチで誰でも簡単に回すことができます。
そこでボルトの穴を特殊な形にすることで、専門店でしか手に入らないドライバーを使用しないと開けられなくなります。
いたずらや盗難のおそれがある場所の部品として活用することが可能です。
ねじ・ボルトの製造方法
ねじの作り方には2つの工法がある
ねじの製作方法には大きく「転造方法」と「切削方法」があります。
「転造方法」
金属が持つ可塑性を利用し、型に金属を挟み込み転がしてネジやパーツを加工します。
「切削方法」
切削方法は素材を削って切り出す加工法です。
大量な切りくずが出来ますが、多くのねじで用いられている工法です。
ただ、大量のくずが出たり、刃物を多用することでコストがかかるため、大量生産にはあまり向いていません。
転造方法の種類
「平ダイス転造方式」
一対の平ダイスを向かい合わせ、一方のダイスを固定させ、片方を往復運動させる転造方法です。
量産性に優れ、コスト削減が可能です。
「プラネタリ転造方式」
固定された扇形の型のセグメントダイスと主軸に取り付けて回転させる丸ダイスを対にして加工します。
タイミングを取りながら素材を送り込むことで連続加工が可能となり生産性が高くなります。
「丸ダイス転造方式」
ローラー型のダイスの間に素材を挟み込み、ダイスの回転と周期的な圧縮で素材を盛り上がらせて加工します。
ダイス間の距離を自由に設定できるため、加工の応用性に優れています。
切削方法の種類
「旋盤加工」
刃物を固定し、素材を回転させながら削り出す方法です。
外丸削り、テーパー削り、中ぐりなどの加工が可能です。
「ボール盤加工」
ドリルを回転させて穴をあける加工方法です。
ねじ立て・リーマ仕上げなどの加工が可能です。
「リーマ加工」
ドリルによって開けた穴の精度や表面の仕上げとして用いられます。
穴の中ぐり加工が可能です。
「フライス加工」
素材を回転させずに刃物を回転させて削り出す方法です。
平面削りや溝削りなど、多彩な加工が可能です。
会社ごとに製造方法の工夫やこだわりがある
ボルト・ねじの製造方法はメーカーにより作り方や製造方法に違いがあります。
それぞれ工夫やこだわりを持っており、加工に使用する機械や工法が異なります。
ボルトの特注を検討する場合は製造会社のホームページをチェックして加工方法や得意分野を見ておくと良いでしょう。
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