旋盤加工を個人で依頼するときの流れを解説

旋盤加工をはじめとした金属加工は個人のお客さまや小ロットの対応も可能です。

金属加工にあまり詳しくないという方でも対応できますので、ホームセンターでは取り扱っていない特注の部品やDIYに必要な部品、趣味に必要なパーツ、ガーデニングやインテリアの雑貨製作など幅広い製品の製作が可能です。

 

しかし、どのように金属加工を発注したら良いのか分からないという方も少なくないでしょう。

今回は、個人の方や初めてオリジナルの金属部品を製作したいという方が旋盤加工を依頼するときの流れについてご紹介します。

 

旋盤加工を依頼するときに必要な情報

図面など形状がわかるもの

旋盤加工の見積もりの際には完成品の形状がわかるものが必要です。

図面があれば良いですが、ない場合は3Dデータからの見積もりも可能です。

 

部品が1個でもある場合は部品から、手書きのイラストがあればイラストをもとに見積もりができます。

スピーディーに製作したい場合は3DCADデータからの見積もり依頼がおすすめです。

 

3DCADデータからの見積もり依頼は、2D図面やイラストからの図面の作成・修正の手間を削減でき、加工業者が迅速に対応できるだけでなく、より正確な見積もりが可能です。

 

材質

旋盤加工など金属加工は素材によって加工条件が異なります。

同じ形状でも材料費だけでなく加工費も大きく変動することがあるため、見積もりの際には素材に関する情報が必要です。

 

もし、最適な素材が分からない場合は加工メーカーに相談して材料の提案をしてもらうと良いでしょう。

 

数量

金属加工では数量によって製品1個あたりの価格が変動します。

また旋盤加工は試作品や数量が少ない場合は手作業で加工する汎用旋盤、数量が多い場合は自動でプログラムされた通りに加工するNC旋盤という風に加工法が変わります。

 

納期

特に急ぎの場合は事前によく確認しておく必要があります。

工場の状況や時期によっては同じ製品でも可否が変わる場合があります。

 

また、金属加工の場合、納期も見積価格に影響する場合があります。

急ぎではない製品は長納期の加工で依頼し、費用を抑えられる場合があります。

 

旋盤加工依頼の流れ

問い合わせ

金属加工メーカーに問い合わせをします。

図面やイラストなどを用意し、メールで送るとスムーズです。

 

問い合わせするメーカーを探す際はホームページなどで製作実績を見て、依頼するものに近い製品の加工実績がある会社を選ぶと良いでしょう。

 

見積もり

加工メーカーが見積もりを行います。

見積もりは材料価格、加工の難易度、表面処理の有無により変動します。

 

見積内容が依頼する内容と合っているかを確認します。

見積もりは2～3社から相見積もりを取ると比較検討しやすくなります。

 

依頼・発注

加工方法、料金、納期、納品方法などが条件と合っていれば契約・発注をします。

継続して依頼する予定がある場合は料金だけではなく、加工メーカーとの相性も考慮して選ぶと失敗を防げます。

 

加工

金属加工メーカーが製作を行います。

旋盤加工では一般的に次の手順で加工していきます。

 

・①切削工具と材料の取り付け

旋盤に切削工具と材料を取り付けます。
正しい位置に設置していないと完成品の精度に大きく関わりますので、慎重な位置決めが重要です。

 

・②荒加工

製品のおおまかな形を削り出す荒加工を行います。

 

・③仕上げ加工

荒加工で大まかな形状を作り出したら仕上げ加工を行います。

 

回転数や送りの速度に注意しながら精度の高い製品に仕上げます。

旋盤加工では切削速度、回転数、被削材直径の条件に応じて切削条件を決めます。

 

被削材の材質や加工に求められる精度、使用する工具の剛性やコーティングなどを考慮して適切な条件で加工します。

 

後処理

旋盤加工だけで完成する製品もありますが、旋盤加工のあと、旋盤加工ではできない部分をフライス盤やマシニングセンタなどで加工します。

また、表面加工が必要な場合は表面加工を施します。

 

納品

指定された場所に納品されます。
パッケージの個数など指定の方法で納品が可能です。