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フランジの製作方法にはどんなものがある?フランジの種類と加工方法


 

フランジとは円筒形の部品で軸や管等に取り付ける鍔状に張り出している部品です。
配管の隙間を埋め、水漏れを防ぐフランジですが、種類や材料、加工法にもさまざまなものがあります。

 

このページでは、フランジの種類、製作方法などについて解説します。

 

フランジの接続方法別種類

フランジは配管やパイプへの接続方法により、次のような種類が存在します。

 

差込み溶接式フランジ(SO)

溶接式フランジのうちの1つで、一般的によく利用されている接続方式です。
パイプや配管をフランジに差し込み、フランジの内側と上面を隅肉溶接します。

 

ソケット溶接式フランジ(SW)

ソケット溶接式は、フランジに配管を差し込んで溶接します。

フランジ内径に段差が設けられている為、段差にパイプを乗せてフランジの上面のみの隅肉溶接で取り付けます。

 

突合せ溶接式フランジ(WN)

突合せ溶接フランジは石油・化学関連の装置で多用される溶接式フランジです。

 

配管部品やパイプ等と直接溶接が可能な為、溶接工数が少ないというメリットがあり、熱応力や振動等の外力への強度も強く、突合せ溶接を採用する為に内側の仕上がりも滑らかです。

 

遊合形フランジ(LJ)

遊合形フランジは通常、スタブエンドと呼ばれる配管継手と組み合わせて使います。
スタブエンドの鍔のない側にパイプを突合せ溶接します。

 

ねじ込み式フランジ(TR)

配管をねじ込むことによって接続するフランジです。
フランジ内径にはめねじが切ってあり、パイプにはおねじを切った配管を使用します。

 

溶接が不要の為コストがかからないというメリットがありますが、ねじで接続する為、シール性は溶接に比べて信頼性が低いため、低圧常温、小口径の配管のフランジに利用します。

 

フランジシール別フランジの種類

フランジにはシール面別にも種類があります。

 

主なものは
・全面座(フラットフェイス・FF)
・平面座(レイズドフェイス・RF)
・はめ込み形(メールアンドフィール・MF)
・溝形(タングアンドグルーブ・TG)
・リングジョイント座(RJ)
等です。

 

フランジの規格

フランジはバルブや流量計等に接続しますので、接続する部材に合うように共通の規格が存在します。
日本国内で使用されているフランジの規格は主に「JIS」「JPI」「ANSI」の3種類です。

 

JISフランジ規格

日本産業規格(JIS)が発行している規格で、一般的なフランジに採用されている規格です。

 

JPIフランジ規格

公益社団法人石油学会の規格で、石油工業用フランジに採用されています。
多くのフランジがANSIと同等になっています。

 

ANSIフランジ規格

アメリカ規格協会の規格です。
規格名がASMEの場合はアメリカ機械学会の承認も得ていることを示しています。

 

フランジの素材

フランジは用途によってさまざまな素材で作られています。
金属によって特徴も異なる為、使用目的に適した金属で製作することが大切です。

 

アルミフランジ

アルミフランジは軽量化を目的として使用されていることが多く、精密機器の配管部品や機器を接続する為の部品として多く用いられています。

 

また、持ち運びや可動性のある装置では軽量化を目的としてアルミを使用するケースが増えています。

 

ステンレスフランジ

ステンレスフランジは腐食性も高く、強度もある為、プラントの配管や電力関連、化学・薬品製造装置向けのフランジとして多く用いられています。

 

鉄フランジ

鉄は比較的安価で加工しやすく、強度や硬さをコントロールしやすいという特徴があり、広く使用されています。
一方で錆びやすいというデメリットがあり、表面加工を施している製品も多くあります。

 

真鍮・銅系フランジ

真鍮材は安価な素材で、使用される用途も多い素材です。
電気部品等に使用されたり、表面処理を施して内部端子等にも使用されています。

 

樹脂フランジ

フランジは金属だけでなく、樹脂でも多くの製品が製作されています。
MCナイロンやPVC等、素材も多岐に渡り、強度や耐候性に優れています。

 

樹脂フランジは食品機械の部品等、強度を維持しながら軽量化を実現できるという特徴があります。

 

特殊フランジはメーカーに製作を依頼する

フランジの規格品は部品業者や商社に依頼することで調達することができますが、規格外品の場合は部品業者や商社では調達が難しい為、金属部品の製造メーカーに依頼してオーダーメイドで製作することになります。

 

オーダー品は、廃盤となってしまった製品を使いたい場合や、これまで使用していたものが壊れてしまった場合にも有効です。

 

製造メーカーによって得意な製作方法が異なりますので、会社のホームページ等で情報収集をしてニーズに適した業者を選ぶと良いでしょう。

 

フランジの製作方法

フランジの製作方法には金属を削り出す方法と、板金をプレス機で絞ったり曲げて成形する方法があります。

 

旋盤加工

NC旋盤等を使用して、回転させた工作物を当てて加工を行います。
棒状の材料から円盤形のフランジを削り出す場合に採用される加工法です。

 

旋盤加工の場合、形状が連続的な回転対称である必要がありますので、複雑な形状のフランジを製作する場合には旋盤加工の後にマシニングセンタ等で追加加工を行います。

 

切削加工

マシニングセンタ等で固定した材料に回転した工具を当てて加工します。
旋盤加工では製作できない角型のフランジや、複雑な形状の加工をする場合に採用されます。

 

絞り加工

絞り加工は板金加工の一種で、金型とパンチの間に素材を置き、パンチで圧を加えて容器部とフランジ部を同時に成形します。

 

曲げ加工

曲げ加工も板金加工の一種で、プレスブレーキ等を使い材料の板金を曲げて加工します。
曲げの種類にはV曲げ、L曲げ、U曲げがあり、曲げ角度等形状に応じて使い分けます。

 

フランジにはさまざまな種類・加工法がある

フランジの種類や製作方法についてご紹介しました。

フランジには用途によってさまざまな種類、素材があり、それに適した加工法があります。

 

規格品だけでなく、オーダーメイドを検討している場合は一度経験豊富なメーカーに相談してみるのがおすすめです。

 

部品が1個あれば図面が無くても製作できることもありますし、こんなのがあったら、というお悩みがあったら、一度問い合わせてみてはいかがでしょうか。

 

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