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ニップル(継手)とは?継手の種類と製作時に便利な寸法の呼称

 

配管に使う継手にはニップルをはじめとしてさまざまな種類があります。
継手はパイプの延長や分岐、拡大などのために使用し、使用目的に応じて種類を使い分けます。

 

ここでは、ニップルとは何か、継手の種類や製作時に必要な寸法に関する知識をご紹介します。

 

ニップルとは

ニップルは継手とも呼ばれており、配管同士をつなぐ部材のうちの1つです。

機械部品の棒やパイプ同士を接続するための管状のねじ部品で、両端をねじ切りした管になっています。

 

ニップルはソケットと組み合わせて使用したり、配管の寸法が短い間隔のときやエルボと併用して配管を繋ぎます。

ニップルには片ニップルや両ニップル、六角ホースニップルなどの種類があります。

 

一般的にパイプは内ねじ(雌ねじ)が切られているため、ニップルは両端が外ねじ(雄ねじに)なっています。

 

配管でよく使われる継手の種類

継手は配管を接続するときに使う部品の総称で、パイプをまっすぐにつなぐだけでなく、パイプの向きを変えたり分岐させたり、拡大もしくは縮小できるほか、塞ぐなど、使用する継手の種類によって自由自在に配管を通すことができます。

 

継手にはニップル以外にも多数の種類があり、製作を依頼する場合は必要な部品を事前に確認しておく必要があります。

 

ソケット/ニップル

ソケットとニップルは配管をまっすぐつなげるために使用する継手です。
ソケットは外ねじ同士のパイプを、ニップルは内ねじと内ねじのパイプを繋ぎ合わせる際に活用します。

 

ソケットやニップルは配管どうしが同じサイズの外ねじと内ねじの組み合わせの場合は必要ありません。

 

エルボ

エルボは配管同士を90度に接続する継手です。

 

エルボには2種類あり、外ねじどうしを繋げるエルボと外ねじと内ねじを繋ぐときに使用するストリートエルボに分かれます。
配管の方向を変えるときに利用します。

 

チーズ

チーズは配管をT字につなげるときに使います。
3本の配管をつなげ、配管を分岐させたいときに使用します。

 

ブッシング

ブッシングは径が異なるパイプを繋げるときに利用します。
外ねじと内ねじを接続するときに使用します。

 

クロス

十字型をしており、4本の配管を接続して使います。
径違いクロスはサイズの違うパイプを繋げるときに使います。

 

フランジ

フランジは部材の端部をほかの部材などに接合するための鍔(つば)のことを指します。

 

基本的には中央にパイプを通すための穴があるドーナツ状の形をしており、機械やプラントなどで管やバルブを繋ぐものとして活用されています。

 

ユニオン

ユニオンは配管の途中に設けて管の着脱を容易にする継手です。
ユニオンねじ、ユニオンつば、ユニオンナットで構成されており、一般的に流体の圧力や温度が低い配管で使用されます。

 

ヘルール

ヘルール、ガスケット、クランプの3つのパーツで構成された部材で、ヘルールの溝にガスケットを咬ませ、クランプで締めて固定して使います。

 

医薬品や食品など、厳格な衛生管理が行われる現場で利用されます。

 

カップリング

カップリングは、配管をボルトで締めて接続するタイプの継手です。
シール性が高いため、配管が抜けにくいというメリットがあります。

 

キャップ/プラグ

キャップ、プラグはパイプを塞ぐために使用します。
キャップは外ねじ用、プラグは内ねじ用です。

 

継手で使われる寸法の単位

継手を仕入れる場合やオリジナルで製作する場合はサイズの指定が必要です。
パイプや継手の外径寸法を表現するのには「呼び径」という方法が取られます。

 

この呼び径はmm(ミリ)やcm(センチメートル)では表現されないうえ、表現方法が2通りあります。

 

A呼称

A呼称は「えーこしょう」と読み、メートル表記となっている寸法です。

 

呼び方は
10A(じゅうえー)
25A(にじゅうごえー)
100A(ひゃくえー)
という風になります。

 

B呼称

B呼称は「びーこしょう」と読み、インチ表記となっている寸法です。

 

呼び方は
3/8B(はちぶんのさんインチ)
1B(いちインチ)
4B(よんインチ)

という風になります。

 

呼び方は違ってもサイズは同じ

A呼称、B呼称は寸法の単位で呼び方は異なるものの、表す外径サイズは同じです。

 

1インチはメートル換算すると25.4mmです。
外径34mmのパイプはA呼称では「25A」、B呼称では「1B」と表記します。

 

注意点は呼称は外径を基準にしているため、実寸と呼称が異なる点です。

 

また、日本で生産されているものはJIS規格となりますが、海外で生産されているものはANSI規格などになり、外径が日本製とは異なる場合がありますので注意が必要です。

 

オリジナル継手の製作の流れ

ニップルなどの継手は規格品を購入するか、オーダーメイドで製作することになります。

 

継手を紛失してしまい予備がない場合や、市販ではほしい継手が見つからない場合、規格品を一部変更したものが欲しい場合などは特注で製作するのがおすすめです。

 

オリジナル継手の製作の流れは以下のようになります。

 

問い合わせ

ねじメーカーなど、金属加工の製作会社に問い合わせをします。
メーカーの問い合わせフォームから問い合わせを送信すると便利です。

 

このとき、
・継手の種類
・サイズ、規格
・材質
・使用用途、使用箇所
・数量
・加工方法
・その他要望など

を具体的に記載しておくと詳しい回答をもらいやすくなります。

 

打ち合わせ・見積もり

製作に関する打ち合わせを行い、加工方法、数量をもとに見積もりが出ます。
細かく打ち合わせをし、納品方法についても決めます。

 

発注・製作

見積もりの内容に納得したら契約・発注となります。

メーカーで継手の加工・製作を行います。

 

納品

出来上がった継手が納品日に合わせて納品されます。

 

用途に合った配管・継手を選ぶ

配管や継手は工場や水道管など、人々の生活に欠かすことができない部材です。

継手1つだけでもさまざまな種類やサイズが存在し、接続方法や材質も多くあるため、用途や設備に合ったものを選ぶことが大切です。

 

規格品を一部変更したい、オリジナルの継手が欲しいという場合にはオーダーメイドで製作・加工するのがおすすめです。